2014/11/10

阿波藍染展 秋・冬

11月10日(月)~15日(土)まで、
藍正主催の『阿波藍染展』開催中です。

タペストリーやのれん、洋服や小物など、
美しい藍色の濃淡と様々な模様や絞りで彩られた
藍染作品が数多く展示されています。
天然の藍色に彩られたギャラリー内は、
心安らぎ、落ち着く空間となっております。


古来、日本では藍染の服が愛用されていました。
その貴重な日本文化を現代に伝えている
藍氏外山家(国指定重要民族文化財)
第十六代目の外山正氏が在廊してらっしゃるので
藍についての知識を詳しく教えて下さいます。
外山家は代々、藍の材料となる『すくも』を作っています。

参考資料:すくもについて
http://www.blue-edge.jp/04_life.html



ひとくちに藍染めといっても、
藍を作る職人、絞り専門の職人、縫い絞り専門の職人、
型染め職人、とそれぞれの専門分野が細かく分かれており
それぞれの職域以外のことは絶対にしてはいけないとのこと。
現代では、一部、だいぶ緩くなってしまってはいますが、
江戸時代には、それをした職人は打ち首になっていた程
厳しく守られていたそうです。

写真の絞り、お分かりになりますでしょうか。
細かく摘みとった布が、糸で細かく縛ってあります。
それを何十回(場合によっては何百回)と繰り返し、
絞りが完成するのです。

この『絞り』の技術は本来、家ごとに門外不出の技でしたが
名古屋の有松にある、『有松・鳴海絞会館』というところでは
絞り専門のおばあちゃん達によるデモンストレーションが見られるとのこと。

http://www.shibori-kaikan.com/


そして熟練の技術を要する、型染め。
白い布に糊で型を付け、藍で染めていくという技法ですが
これが大変難しいとのこと。
外山氏曰く、
「糊を作る術が、型染めの全てです」
「毎日の気温、湿度等に合わせて、
糊の原料となる『もちこ』『砂』『石灰』『塩』の配分を調節するところから始まる」


すくも作り、絞り、型染め。
藍染めに関わるお仕事は、
どれも大変な手間と労力を要して、かつ繊細です。
でも日本古来の貴重なお仕事。是非後世に残していってほしいものです。







秋・冬向けの作品なので、このDMの写真にもあるように
ウールを染めて作った作品も展示されていますが、
元々はウールの藍染めというものはなく、ウール用の藍を作っているとのこと。
ウールというのは、60℃にならないと繊維が開かず、染められないのだそうです。
これも豆知識。

約30年間、春と秋に開催していた
藍正の藍染展ですが、外山氏は
もう今回で最後、とおっしゃっています。

是非、足をお運び下さいませ。








『阿波藍染展 秋・冬』
11月10日(月)~11月15日(土)
10:00 - 18:00 (最終日は16:00迄)

阿波藍のみを使い、綿・麻・絹・レーヨンなどの素材を
染め、手織り・ファッション・インテリア・編み物・袋・小物
など生活に即した製品を展示・即売。
阿波藍染めの美しさをお楽しみ下さい。

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